本日はとても暖かく過ごしやすかったですね。
先日は、急に寒くなってしましい、気温差も大きかったので体調を崩した人もいたのではないでしょうか?
これからの時期、在宅呼吸器管理を行なっている患者さんの入院が増えてしまいます。
在宅呼吸器管理を行なっている患者さんの多くが、病院の呼吸器よりも、自宅で使い慣れた呼吸器を好まれます。特に小児科の患者さんの場合、回路やマスクが変わると不安になってしまう子も多いです。また、使用している機器が大きくなると家族の方も不安になってしまいますので、できるだけ在宅で使用している呼吸器を使用しています。
病院で使用している呼吸器のほとんどは機械側で酸素濃度の設定をすることができます。在宅用の呼吸器は機械側で酸素濃度を設定することができません。また、酸素を付加しても濃度を表示できない機器もあります。
患者さんは呼吸状態が悪化して入院してきているので、酸素濃度を上げて使うことが多いです。酸素濃度を◯◯%にしたい場合、何リットルの酸素を付加すれば良いのか計算をしなければいけません。
また、施設によってはSPO2が基準値になるように酸素を付加していることがあるかもしれません。高濃度の酸素投与を続けると高酸素血症となることがあります。
高濃度の酸素でマスク換気を行なっている場合であれば、挿管に変更する。挿管している場合では、院内の呼吸器に変更するなどが必要になってきますので、計算方法を知っておくととても便利です。
酸素流量・濃度の求め方は、以前記入した記事内容を応用して説明していきますね。
今回はトリロジ100を参考に説明していきますね。
本体背面の構造。空気取り込み口から空気を吸い込み、患者さんへ送ります。
酸素ポートに専用コネクタを接続する。
酸素チューブを接続すると吸気に酸素を加えることができます。
緊急入院で来る場合、コネクタが付属していない場合がありますので、1個持っているととても便利です。
・設定酸素濃度にするために流す酸素流量の求め方
計算式は
酸素流量=(設定酸素濃度−21)÷79×分時吸気量
となります。
分時吸気量とは、分時換気量+リーク量(回路からの漏れの量)のことで、1分間に呼吸器から患者さん側へ送った量になります。
写真の場合で、設定酸素濃度を30%にするために流す酸素流量の求め方は、
分時吸気量は 2.3+12=14.3L/minとなりますので、
酸素流量=(30−21)÷79×14.3
=1.6L/minとなります。
・酸素濃度の求め方
呼吸器に酸素濃度を表示する機能がないため、酸素を付加している場合、酸素濃度を求める必要がある場合があります。
計算式は
酸素流量=(設定酸素濃度−21)÷79×分時吸気量を変形させ、
酸素濃度=酸素流量×79÷分時吸気量+21
となります。
上の写真で酸素を5L/min流している場合、
酸素濃度=5×79÷14.3+21
=48.6%になります。
思っていたよりも高濃度の酸素が流れていましたね。
今回は挿管している患者さんだったのでリーク量は12L/minでしたが、マスク換気の場合のリーク量が増えるため、30L/minになることもあります。
上の写真で酸素が5L/min、リーク量が30L/minになった場合の酸素濃度は、
酸素濃度=5×79÷32.3+21
=33.2%になります。
同じ酸素流量でも分時換気量、リーク量によって酸素濃度が大きく変わってしまいます。患者さんごとに、投与してる酸素濃度が何%になるのか知ることもとても大事なことです。
病院内で在宅用人工呼吸器を使用する場合、今回の計算方法を活用していただければ嬉しいです😃
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