今回はテルモシリンジポンプの不具合対応方法についてお話をしていきます。
シリンジポンプの返却作業をしていると年に数回、下の写真のような張り紙が貼ってあることがあります。
流量設定をしようとしたら設定ダイアルが回りにくくなってしまったのですね。
設定ダイアルは機器の右側にあり、流量を設定するために時計・反時計回りにまわして流量を設定できます。
通常はストレスを感じることなく、クルクル回して設定することができます。
しかし、あることが原因で回りにくくなってしまいます。
それでは、原因を追求していきましょう。
まず、設定ダイアルを外します。上の写真の状態では外しにくいので、ダイアルを回して、くぼみがある部分が上にくるようにします。
設定ダイアルを引っ張って取り外します。
取り外すと下のようになります。
赤く囲まれたところに黄色物体が見えます。
これは「薬液が固まった汚れ」です。
設定ダイアルが回りにくくなる原因は 汚れ だったんですね。
ダイアル側にもついていることがあります。
今回は見られませんでしたが、緑の部分に汚れが付着していることも多くあります。
これらの汚れを綺麗に拭きます。
機器側に設定ダイアルを接続して回すと、クルクル回ると思います。
汚れを拭いても改善しない場合は、設定ダイアルの破損が考えられます。
設定ダイアルの中には磁石が入っており、磁石が破損すると回りにくくなってしまいます。
このような場合は部品の交換が必要になりますので、臨床工学技士さんにやメーカーさん(臨床工学技士さんが病院にいない場合)に修理依頼を行ってください。
機器を清掃することによって不具合がなくなることもあります。
また、感染を拡大させないためにも清掃はとても重要な作業になります。
使用後の整備を行うことで、多くの不具合を起こしにくくすることができますので、使ったままにせずしっかりと整備を行うようにしてください。