医療機器を使用する際には電気が必要になります。
将来的には、ワイヤレスで充電も可能になると思いますが、現在ではコンセントから機器に電気を供給するために、電源ケーブルが必要になります。
機器を管理していると、機器本体の故障よりも電源ケーブルのトラブルの方が多いのではないかと思うくらい、電源ケーブルのトラブルは多く発生しております。
今回は、機器トラブルをなくすために気をつけて欲しい、電源ケーブルに関する3つの注意点を説明していきますね。
①電源ケーブルを抜く方法
当院では呼吸器使用中患者さんの病棟移動の際に臨床工学技士が呼吸器の移動を行なっています。
その際によく見る光景が下の写真になります。
電源ケーブルのコード部分を持って引っ張っています。
これを繰り返すことでケーブルの根元が断線してしまいます。
新しい職員が増えた4、5、6月頃にケーブルの断線が増えてしまいます。
断線の一歩手前で、ケーブルがむき出しになってしまうものも見られます。
この瞬間を発見すると、また断線してしまうんじゃないかと焦ってしまいます。
電源ケーブルの根元を持って抜くのが正しい方法です。ケーブルを抜く際にべッドがあると邪魔になってしまい、ついついケーブルを引っ張ってしまうことがあると思いますが、ケーブルの断線を防ぐためにも、しっかり根元を持って抜くようにしましょう。
②アースの破損
医療機器のプラグは、機器内部からの漏れ電流を放出させるため3Pコンセントが主流になっています。
長期間使用したプラグだとアースがなくなっていることがあります。
周りのコンセントを見て歩くとアースが刺さったままになっているものがあります。
アースがないと機器からの漏れ電流が患者さんや医療スタッフへ流れてしまい、感電してしまうことがあります。
また、心電図モニタやベッドサイドモニタを使用した場合ノイズが乗ってしまうことがあり、正しい検査や治療ができないことがありますので、故障しているケーブルは交換するようにしましょう。
③電源コンセントの外れ
機器に電源ケーブルを差し込んでいるのに「バッテリ低下アラームが発生してしまう」や「電源が切れてしまった」などのアクシデントが発生してしまいます。
主な原因は電源ケーブルの断線が多いですが、次いで多い原因がコンセントの外れになります。
下の写真は、いっけんコンセントが差し込まれているように見えますが、よく見ると外れかかっています。
ベッドサイドモニタなどの移動して使用する機器は気づかないうちに電源ケーブルが抜けることがあります。
大型機器の場合、電源ケーブルが抜けないものと思い込みされている方が多くいらっしゃいます。機器が充電できない場合は機器側の電源ケーブル差込も確認して見てください。
この場合の予防方法は、結束バンドでケーブルを固定することで、ケーブルが引っ張られても抜けにくいようにすることができます。
機器使用開始時はバッテリでの使用が可能な機器が多いため、電源コンセントの異常に気づきにくい場合があります。
機器本体の異常の可能性もありますが、多くの場合、電源ケーブルに破損はないか、コンセントから機器までしっかりと接続されているかを確認することでトラブルに対応することができます。
トラブルがあった際に参考にしていただけたら嬉しいです。