看護師さんが知らないと損するコツを臨床工学技士が伝授します

毎日多くの看護師さんや先生から医療機器の使用方法や操作のコツについて相談を受けます。頂いた相談に対する答えをブログを通してみなさんに伝えることにより、少しでも多くの人の悩みや疑問を解消できるお手伝ができればと思いブログの開設を行いました。

吸引圧の設定方法、間違っていませんか?

先日、病棟の看護師さんから「吸引器の圧力メーターは上がるんだけど、空気を吸ってる感じがしないから見に来て欲しいです」との連絡が来ました。

電話をもらった時、あそこが原因かな?と思い当たることがありました。

解決策に関しては今後書いていこうと思います。

 

トラブル解決後、看護師さんから吸引器の設定圧はどうすれば良いですか?と質問をされました。

吸引器の設定圧は、一度設定すると変更することがないので、マニュアルで決まっていても設定圧がいくつというのはなかなか浸透していないようですね。

吸引圧の設定を高くすると(マイナス側に)粘膜の損傷を起こしてしまうので注意が必要です。

 

成人の吸引圧は、日本呼吸療法医学会のガイドラインでは20kpa(150mmHg)が推奨されています。

 

また、一般的に新生児の吸引圧は13kpa(100mmHg)となっています。

 

ここで注意してもらいたいのが、

吸引圧の設定はカテーテルを完全閉塞させた状態で行う。

ということです。

 

下の写真を見てください。

 

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吸引器にチューブ類を接続しない場合

 

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吸引器にチューブ類を接続し、完全閉鎖した場合

 

完全閉塞した状態と、閉塞していない状態では10kp(75mmHg)も誤差が生じる場合があります。 

 

新生児設定の場合、閉塞していない場合13kpa(100mmHg)でも、完全閉塞すると20kpa(150mmHg)となり、成人に推奨されている値になることがあります。

 

必ず完全閉塞した状態で圧力設定を行なってください。

 

これからの季節、痰が粘稠性で引けてこないので、窒息を防ぐために仕方なく設定圧を高くしてしまうケースがあるかもしれません。しかし、気道粘膜の損傷、出血や迷走神経刺激による不整脈などの合併症が発生するリスクもありますので、加湿を検討するなど他の対処方法の検討も行って見てくださいね。

 

吸引圧の話ではないですが、日本呼吸療法医学会のガイドラインでは吸引時間は、一回の吸引操作で10秒以上吸引をしない。一回の挿入開始から終了までの時間は20秒以内にする。となっています。

 

完全閉塞した場合と、閉塞していない場合では吸引圧に違いがありますので、自施設の設定があっているか確認していただきたいと思います。

 

 


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