今回は点滴の滴下数を計算する方法について説明していきます。
点滴設定に不慣れだったり、久しぶりに患者さんに点滴するため設定が不安💦という方は、下のマスに輸液量と投与時間を入れて計算ボタンを押すと、時間あたりの滴下数を簡単に知ることができますので使用してみてください。
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点滴の滴下数を計算する方法
点滴の滴下数を計算する方法を説明していきます。
輸液セットには成人用(1ml=20滴)と小児用(1ml=60滴)の2種類があります。
成人用と小児用は点滴ノズルの太さが違うことで見分けることができ、成人用は小児用より太くなっています。
*輸液セットを間違えると投与速度が変わってしまうので気を付けましょう。
成人用輸液セット(1ml=20滴)の場合
1分間の滴下数を確認する基本の計算式
以下のようになります。
例)500mlの薬液を6時間で投与する場合の1分間の滴下数は
500(ml)×20÷6(hour)÷60=27.8
しかし、実際に滴落数を見ながら速度を調整する場合、1分間も薬液の滴数をカウントしているわけにはいきませんので、10秒間や5秒間で滴数カウントをして速度を調整します。
10秒間の滴数
10秒間の滴数は60秒の6分の1なので、基本の計算式の数値を6で割ります。
500(ml)×20÷6(hour)÷60=27.8
27.8÷6=4.6となり、
10秒間で4.6滴となります。
5秒間の滴数
5秒間の滴数は60秒の12分の1なので、基本の計算式の数値を12で割ります。
500(ml)×20÷6(hour)÷60=27.8
27.8÷12=2.3となり、
5秒間で2.3滴となります。
小児用輸液セット(1ml=60滴)の場合
1分間の滴下数を確認する基本の計算式
以下のようになります。
例)500mlの薬液を6時間で投与する場合の1分間の滴下数は
500(ml)×60÷6(hour)÷60=83.3
10秒間の滴数
10秒間の滴数は60秒の6分の1なので、基本の計算式の数値を6で割ります。
500(ml)×60÷6(hour)÷60=83.3
83.3÷6=13.8となり、
10秒間で13.8滴となります。
5秒間の滴数
5秒間の滴数は60秒の12分の1なので、基本の計算式の数値を12で割ります。
500(ml)×60÷6(hour)÷60=83.3
83.3÷12=6.9となり、
5秒間で6.9滴となります。
滴下数の計算式:応用編
計算する数字が多いと間違いやすいし、なにより計算が面倒だと思う方も少なくないと思います。 滴下数調整に慣れてくると、基本の式を応用して、今までよりも簡単に計算していけると思いますので、応用式を紹介していきます。
成人用輸液セットの場合
1分間の滴下数の計算式は
数値を先に計算し、
となり、輸液量を投与時間で割ってさらに3で割るだけで1分間の滴下数が求められます。
小児用輸液セットの場合
1分間の滴下数の計算式は
数値を先に計算し、
となり、輸液量を投与時間で割るだけで1分間の滴下数が求められます。
10秒間の滴数は、成人・小児用ともに1分間の滴数を6で割ると求められます。
5秒間の滴数は、成人・小児用ともに1分間の滴数を12で割ると求められます。
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練習問題
成人用輸液セット(1ml=20滴)の場合
①抗生剤100mlを30分で投与する場合、1分間の滴下数はいくつになるでしょうか?
②輸液500mlを3時間で投与する場合、10秒間の滴下数はいくつになるでしょうか?
③輸液1200mlを12時間で投与する場合、5秒間の滴下数はいくつになるでしょうか?
小児用輸液セット(1ml=60滴)の場合
④抗生剤50mlを30分で投与する場合、1分間の滴下数はいくつになるでしょうか?
⑤輸液100mlを4時間で投与する場合、10秒間の滴下数はいくつになるでしょうか?
⑥輸液500mlを10時間で投与する場合、5秒間の滴下数はいくつになるでしょうか?
では解答を発表していきます。
答え
①66.7滴
100×20÷0.5÷60=66.7
②9.3滴
500×20÷3÷60÷6=9.3
③2.8滴
1200×20÷12÷60÷12=2.8
④100滴
50×60÷0.5÷60=100
⑤4.2滴
100×60÷4÷60÷6=4.2
⑥4.2滴
500×60÷10÷60÷12=4.2
みなさん、できましたでしょうか?
できた方、おめでとうございます!
今回の問題以外にも使用する薬液量と予定時間を想定して練習することで、 実際に患者さんに投与する場合にもスムーズに設定することができるようになると思います。
不安な場合には、ページ先頭の計算フォームを活用してみてください。
今回の説明したことが少しでも皆さまのお役に立てれば嬉しいです。