酸素化不良のため鼻カニューラ使用していた患者さん、呼吸状態が悪化したため呼吸器を導入しました。Drと相談しながら呼吸器の設定を行い、決まった設定を看護師さんに伝えました。酸素濃度設定を伝えた時に、『鼻カニューラの時は何%の酸素だったの?』という質問を受けました。
通常はDr指示やSPO2を見ながら酸素流量を決めることが多く、実際の酸素濃度を意識することは少ないですね。
今回は鼻カニューラ使用中の酸素濃度についてお話します。また、簡易酸素マスクとリザーバー付き酸素マスクについてもお話していきますね。
各製品の特徴
・鼻カニューラ
病院などでは鼻カニューレと呼ばれることが多いですね。
特徴は酸素吸入しながら会話や食事ができ、管理も簡単なため病院だけでなく在宅医療にも広く普及しています。しかし、鼻に酸素を送っているため口呼吸や鼻閉塞時には推奨されていません。また、酸素流量が6L/min以上の投与は、鼻粘膜の刺激を起こす危険性や、吸入酸素濃度の上昇がみられないことから推奨されていません。
4L/min以上では加湿をおすすめします。
・簡易酸素マスク
鼻カニューラでは低酸素になる患者に使用します。
マスク内に呼気の二酸化炭素が貯まらないように、5L/min以上の流量で使用することが推奨されています。5L/min以上にすると酸素濃度40%以上になることから、高濃度が必要ない患者には推奨できません。乾燥した空気を送らないよう加湿が必要になります。
やむをえず5L/minで使用する場合は高二酸化炭素血症にならないように注意しましょう。
・リザーバー付き酸素マスク
高濃度酸素吸入が必要な場合に使用されます。
患者さんの呼気時(息をはく時)にリザーバーに100%の酸素を貯め、吸気時(息を吸う時)にリザーバーに貯まった酸素を吸うことで高濃度の酸素投与が可能になっています。高流量を送るため、乾燥した空気を送らないよう加湿が必要になります。
酸素濃度の目安
各製品の酸素濃度の目安は上記の表になります。
患者さんの吸気量・吸気速度によって酸素濃度が変わることがありますが、上記の表を参考に流量調整を行って見てください。