看護師さんが知らないと損するコツを臨床工学技士が伝授します

毎日多くの看護師さんや先生から医療機器の使用方法や操作のコツについて相談を受けます。頂いた相談に対する答えをブログを通してみなさんに伝えることにより、少しでも多くの人の悩みや疑問を解消できるお手伝ができればと思いブログの開設を行いました。

乳幼児突然死症候群予防に使用するベビーセンスの自主回収のお知らせがありました。

乳幼児突然死症候群予防に使用するベビーセンスの自主回収のお知らせが6月25日にありました。

 

ベビーセンス

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ベビーセンスの国内販売は株式会社ファミリーヘルスレンタルで行われていますのでご不明な点があれば連絡して下さい。

http://www.fhr.co.jp/ 

 

 

今回メーカの方に詳しい情報を教えて頂いたので、情報の共有を行なっていきたいと思い記事にしました。参考になれば幸いです。 

 

 

ベビーセンスは乳幼児突然死症候群SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)を予防する機器で、赤ちゃんの下にセットして30秒間呼吸をしなくなるとアラームでお知らせしてくれます。

   

今回赤ちゃんには直接影響がありませんでしたが、使用前・使用中点検を行なっている病院で60秒たってもアラームがならなかったという現象がありました。2018年1月1日〜5月31日の間に18台同様の現象が起きています。同じ病院で4台故障機器が発見されたこともあったそうです。

 

 

他のメーカーの機器で体動検知を行なっている機器があり、呼吸をしているのに体動が少なかったため、たまに誤アラームがなってしまうというものも多く販売されています。

 

ベビーセンスはイスラエル製で高度な軍事技術が転用された機器で、呼吸の有無をしっかりと検知してくれる優れものの機器であったため使用施設も多く、とても衝撃的な出来事です。

 

ベビーセンス使用施設数は平成29年12月31日現在で
医療機関 1809
保育施設 2005もあるそうです。

 

厚生労働省の「保育園における児童の安全対策強化」により乳幼児突然死症候群予防のために国と自治体が保育園に補助する事業が始まっています。通常は園児1名あたり最大3万円がほとんどですが、自治体によっては6万円補助する地域もあため購入した保育園が一気に増えたそうです。

 

 

ベビーセンスの使用期限は納入日より3年になります。

この間の不具合は全て無償で対応して頂けます。(逆にいうと、3年を過ぎたものは保証の対象外になってしまいます(^_^;))

 

例年であればいつでも機器交換できるように数千台の在庫を持っているとのことでしたが、「保育園における児童の安全対策強化」により多くの機器が販売されたため、在庫が少なくなっているそうです。

 

 

市場には10万7千台ほど出荷していますが、3年以内の納入は約2万台だそうです。このうち8000台が自主回収対象の機器になるそうです。

毎月の生産台数が約1000台なので、今年度中に全ての交換ができるかどうかとおっしゃっていました。

 

 

部品の故障によりアラームが鳴らないことがわかり、主な故障部分はダイオードというものだそうです。

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先日イスラエルから調査団が来て、日本の技術者と合同で調査を行なったそうです。

 

 

故障の原因はまだ不明ですが、 3Pコンセントに2P変換コネクタを接続すると

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アース部分から電磁波を出すことがわかり、それが影響したのではないか? 

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一部のパソコンから電磁波が出ているものがあり、ベビーセンスのすぐ近くで使用されたために影響したのではないか?などと話し合われていたそうですが、原因は追求とのことでした。

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ベビーセンスは光線療法機器を併用することでアラームが鳴らなくなることがあります。これらも考えると、電磁波に弱い機器なのかと思いました。

 

 

 原因は追求中とのことですが、考えられる原因を省くためにもコンセント類は正しく使用しましょう。

 

 

新しい機器が来るまでの間は、一日一回、使用前・使用中点検を行なってくださいとのことでした。

 

方法は機器電源を入れたまま、赤ちゃんを持ち上げます。

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30秒以内にアラームがなることを確認し、赤ちゃんを戻します。

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持ち上げた際に、ベビーセンスの上に乗っているマットなどが振動して呼吸していると認識してしまうことがあり、アラームが鳴らないことがあります。その際は電源を入れ直し、 再度テストを行なってくださいとのことでした。

 

それでもアラームがならない場合は、ファミリーヘルスレンタルに連絡すると対応してもらえます。

 

 

平成27年度には96名の赤ちゃんが乳幼児突然死症候群で亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第3位となっています。機器故障が原因で赤ちゃんの無呼吸を発見できなかったということが起きないことを望んでいます。 

 

 

 


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