看護師さんが知らないと損するコツを臨床工学技士が伝授します

毎日多くの看護師さんや先生から医療機器の使用方法や操作のコツについて相談を受けます。頂いた相談に対する答えをブログを通してみなさんに伝えることにより、少しでも多くの人の悩みや疑問を解消できるお手伝ができればと思いブログの開設を行いました。

除細動器の使用方法と簡易動作チェック(日本光電の場合)

 

今回は除細動器の使用方法についてお話をしていきますね。

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除細動器は急変した患者さんにすぐに対応できるようにナースステーションの近くにある施設が多いのではないでしょうか?しかし、とても重要な機器なのに、使用する機会が少ないので使用方法に関しては不安だったり、全くわからないという方が少なからずいると思います。

 

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除細動器はDC(直流除細動器(Direct current除細動器))とも呼ばれています。心房細動や心室細動心室頻拍などの致死的な不整脈に対して、心臓の異常興奮を抑制するために使用されます。

 

心房細動は、複数の電気信号が心房内を不規則に流れ、心房が小刻みに動き、けいれんするような病状が起こります。それにより心房に血栓ができやすくなり、その血栓が脳に飛んで脳の血管が詰まるリスクが高まります。

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心室細動は、心室の色々な場所で不規則に電気信号が発生することにより、心室が痙攣して収縮できず、体に血液を送り出すことができない状態になります。

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除細動器を使用することにより、これらの心臓に不規則に流れる電気を沈め、正常な電気の流れを取り戻すことを期待して蘇生を行います。

除細動器は大電力を流すことにより電気の流れを整えますので、電気の流れがない心停止や、無脈性電気活動に対しての効果は期待できません。

 

 

 

使用時の注意点 

・患者さんが大量に汗を書いたり、胸が濡れている場合にはしっかりと拭き取ってから除細動を行いましょう。濡れたままだと、除細動パドル間の体表面を電気が流れてしまい、効果が弱くなってしまうことがあります。

 

・湿布などの貼り薬が貼ってある場合、貼り薬の上に除細動パドルを置いて放電を行うと、効果が弱くなったり、火傷の危険性があります。貼り薬を剥がして残っている薬剤が無いように拭き取りましょう。

 

・ネックレスなどの金属製品をつけている場合、金属製品に電気が流れて火傷の危険性がありますので外すようにしましょう。また、ベッドの金属類に触れている場合でも火傷の危険性がありますので注意しましょう。

 

 ・ペースメーカーなどが埋め込まれている場合、埋め込み機器の真上を避けてパドルを圧着させて使用しましょう。

 

 

 

 必要物品

①専用のパッドまたは専用のジェルを準備します。または、専用の使い捨てパッドを準備します。

 

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専用の使い捨てパッドを使う場合は、専用のコネクタを機器に取り付ける必要があります。

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 Defib-Padsは開けると以下のようなパッドが入っており、引っ張ると2枚に分かれます。

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ジェルに比べて準備や使用後清掃が簡単でですが、粘着性がないので貼ったままにしておくと落ちてしまいますので注意してください。

 

 

ジェルを使用する場合は除細動器のパドル全体に均一にジェルを塗るってください。

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*注意 除細動器専用のジェルを使用する

たまに、超音波装置用のジェルが除細動器に設置されていることを見ることがあります。超音波装置用のジェルは除細動器専用ジェルよりも抵抗が高いため、治療効果が低下することがあります。また、火傷の危険性がありますので、専用のジェルを使うようにしてください。

 

 

 

使用方法

 

①電源の立ち上げ

除細動器には電源ボタンがありません。

エネルギ設定ダイアルを回すことによって電源が立ち上がります。

 

設定は医師の指示のもと行いますが、成人の心室細動に対する設定は150J以上が推奨されています。自分の経験では150Jで治療を行うことが多いです。(新生児では2〜4J/kgが推奨されています)

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心房細動に対して治療を行う場合は、心電図を装着し、同期ボタンを押して同期モードで使用します。(心室細動の場合は出力しないことがあるので同期ボタンは押さないでください)

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 通常100Jを用い,QRSに同期させて通電を行います。(写真の設定は合っていません(^_^;))

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 ②パドルを患者さんに圧着

パドルを第2、第3肋骨と心尖部に圧着させます。

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装着時、パドルコンタクトが赤くなっている場合は不完全装着で放電することができません。しっかりと圧着させ、緑になるようにします。

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成人、小児、新生児用のパドルがありますので、患者さんに合ったサイズのパドルを使用するようにしてください。

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 通常は成人用が装着されています。①突起部を下に押し、②上に引き上げると小児用のパドルが出てきます。

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③充電

パドルか機器本体の充電ボタンを押すと充電が開始されます。

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④ 放電

左右の放電ボタンを同時に押し続けると放電します。

放電時、患者さんやベッドに触れていると感電してしまう危険性があります。必ず声掛けを行い、離れてから放電を行いましょう。

(使用者に関しては色々な意見がありますが、メーカーでは医師のみとしているそうです)

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 放電後は心電図を確認し、必要に応じてすぐに胸骨圧迫を再開しましょう。

 

 

⑤使用後の清掃と物品補充

使用後は機器の清掃を行いましょう。ジェルを使用した場合は、パッドとホルダーについたジェルをしっかり拭き取りましょう。汚れが残ってジェルが固着してしまうと、その部分の抵抗が高くなり火傷の危険性があります。また、使用した物品の補充をしましょう。

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また、いざ使おうと思ったら使えない。なんてことにならないように日常的な点検が必要です。

日常点検を行った際、放電ボタンを押したが数回に一回しか放電されない故障を発見したことがあります。患者さんへ使用する時にこのような故障があると命に関わってしまいます。

 

このため、日常的に簡易動作チェックすることをオススメします。

 

 簡易動作チェック方法

 設定ダイアルを「簡易動作チェック」に合わせると、チェック画面が立ち上がります。

実行ボタンを押すと充電が開始され、記録用紙が出てきます。(紙がもったいないと思う方は、赤で囲まれたボタンを押すと紙が止まります)

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充電が完了すると放電を促す案内が出ます。放電ボタンを長押しします。

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「外用パドルをパドルカップにセットしてください」というアラームメッセージが出ることがあります。

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パドルが確認すると赤く光っています。

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パドルと機械側の接触が悪い場合が多いので、金具を少し上に持ち上げると接触がよくなります。これで治らない場合はケーブルの断線が考えられますのでメーカーに相談してください。

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問題なく放電が完了すると、自動でバッテリチェックを行います。

バッテリチェックが完了すると、レコーダーチェックに移ります。チェック開始時に記録用紙が出ていれば「はい」ボタンを押します。

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ピピピピピーとアラーム音がなりますので、聞こえたら「はい」ボタンを押します。

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音声ガイドが流れますので、聞こえたら「はい」ボタンを押します。

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全て正常に終了したら「簡易動作チェック正常終了」と表示され、

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点検結果が印刷されます。動作チェックを行った証拠になりますので保管しておきましょう。

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時間がずれている場合は、設定ダイアルを「セットアップ」に合わせます。

「日付/画面」に合わせ「決定」を押すと変更画面に移ります。

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除細動器は滅多に使う機会がない病棟も多いと思いますが、いざという時に無くてはならない機器で、いかに速やかに治療が行えるかによって患者さんの予後に影響してきます。定期的に使用方法の勉強会や日常点検を行うことにより、より安全に使用することができると思いますので、ぜひ参考にして見てくださいね。

 

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