看護師さんが知らないと損するコツを臨床工学技士が伝授します

毎日多くの看護師さんや先生から医療機器の使用方法や操作のコツについて相談を受けます。頂いた相談に対する答えをブログを通してみなさんに伝えることにより、少しでも多くの人の悩みや疑問を解消できるお手伝ができればと思いブログの開設を行いました。

ネーザルハイフロー患者の搬送にもハイフローが使用できるんです!!

ここ数年、ネーザルハイフローを行うことが増えていますね。プロングだけなので、圧迫感も少なく、呼吸管理を行いながら、食事やコミュニケーションが取れることも大きなメリットになっていると思います。

 

ネーザルハイフローを行うときは、高流量が出る酸素ブレンダーや

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AIRVO2などを使用することが多いと思います。

 

では、ネーザルハイフローを行なっている患者さんの転科や検査移動はどのように行なっていますか?

 

酸素マスクや

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ベンチュリーマスクを使用して移動している施設が多いのではないでしょうか??

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患者さんの状態によっては、マスクに変えたとたんに、SPO2が下がってしまうことがあると思います。

また、移動中は問題なかったけど、移動後に呼吸状態が悪くなってしまったということもあるかと思います。

 

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それは、マスクではネーザルハイフローの特徴でもあるPEEP効果がなくなってしまうからなんですね。

 

PEEPとは、呼気の時にも肺を膨らませておくことです。

 

では、どうすればPEEP効果を保ったまま移動をすることができるでしょうか?

 

 

それには、エアエントレーナーRT008(Fisher&Paykel)を使用します。

 

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使用に必要な物品

・エアエントレーナー

・酸素ボンベ

・酸素チューブ

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・22mmコネクタ(呼吸器回路に付属していたりします)

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・蛇菅

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となります。

 

 

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 写真のように組み立て、

 

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プロングと接続します。

 

酸素濃度設定方法

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30%目標の時には、ダイアルを30%に設定し、酸素を5L/min流します。

50%目標の場合は、ダイアルを50%に設定し、酸素を15L/min流します。

このように設定することで希望の酸素濃度でハイフローができるようになります。

 

設定流量は決めることができませんが、酸素を流すと、開いている穴から空気を引き込み高流量が流れる仕組みになっています。

 

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注意点として、酸素を多く流すと酸素チューブが外れてしまうことがあります。

対策として、結束バンドを使用することで外れなくなります。

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ネーザルハイフロー使用患者さんの移動時に呼吸が安定しないことがあるようなら、ぜひ試してみてください😉

 

また、移動時には必ずSpO2の測定を行うようにしてください😃

下の記事も参考にしてみて下さい。

www.iryoukiki.me

 


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